2018年4月17日火曜日

第11回『舞台「ラ・カージュ・オ・フォール」』


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先日、日生劇場に舞台「ラ・カージュ・オ・フォール」を見に行った。


「ラ・カージュ・オ・フォール」はゲイクラブの踊り子を題材にしたコミカルでちょっと泣ける、歌あり踊りあり笑いありのヒューマンミュージカルだ。


マツケンサンバの振り付けでお馴染み真島茂樹さんもムチ使いのSM女王ハンナ役で出演なさっているのだが、舞台を見終わってからその真島茂樹さんと日生劇場向かいの帝国ホテルで一緒にお食事をさせて頂いた。


舞台終わりでホッとひといき、お酒を飲みつつもまだ舞台の興奮冷めやらない中、舞台についてのお話を色々と聞かせてくれた。


 本番前に楽屋を訪ねさせて頂いた時にもおっしゃってたのだが「ラ・カージュ・オ・フォール」は歴史のある舞台で、34年前にブロードウェイで公演され翌年権利を買って日本で公演されるようになってから現在に至るまでの33年の間、真島さんはずっとこのハンナ役をやってきたそうだ。衣装も33年前の物をそのまま着ているというから凄い。


現在の鹿賀丈史さんと市村正親さんが主役となって10周年だが、その前の岡田真澄さんや近藤正臣さんが主役の初演の時からずっと出演してきたのは今では真島茂樹さんと森久美子さんの2人だけなのだそうだ。


そんな歴史のある舞台「ラ・カージュ・オ・フォール」はショーの始まりから終わりまで圧巻のダンスと歌が繰り広げられ、笑いが盛りだくさんの後半ちょっと泣ける素晴らしいショーでとても感銘を受けた。連日満員御礼でチケットが取れないのもうなずける。


 真島さんはTVで見るのと同じくほんと気取らない気さくな方で、ダンスや振り付けの話を始め、ムチの使い方をマスターする為に努力した話、また社交ダンスについての質問など、舞台のダンスと社交ダンス、ジャンルは違えども同じダンサーとして色々お話する事が出来てとても有意義な時間だった。(下へつづく)


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さて真島さんがアームの使い方の話の時にアームは体の中から使う、というのをおっしゃっていた。


社交ダンスも全く同じだ。アームの使い方といえば自分はスラヴィッククリクリビーにとても影響を受けた。


スラヴィックのアームの使い方はエレガントでしなやか、かつ実際のアームの長さ以上に長く見える。


どうやったらあのようなアームの使い方ができるのかDVDで何度も研究し実際スラヴィックにレッスンも受けて練習もした。


そうして得た自分のアームの使い方は、肩甲骨のすぐ下の筋肉を収縮させながら二の腕、肘、手首へ雑巾を絞るような動きを意識して動かす。


ちょっと意識を変えるだけで見え方は格段に変わる。だがそのちょっとの意識の違いを探すのにすごい時間と労力を要する。


だからダンスは奥深くて面白い。

(第11回 ダンスのキセキ『舞台「ラ・カージュ・オ・フォール」』)


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2018年4月14日土曜日

第10回『キセキ』


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コラムを書いてる事を誰かに話したり読んで下さいと言ってる訳ではないのだが、ちょくちょく読んでもらえてるようで


「落ち込んでた時に勇気をもらいました」とか「ダンスの参考になりました」とか、読んだ感想をちょくちょくもらう事があるので嬉しい限りだ。


プロの仲間から「コラム面白いですね」と言われたりするのも有り難い。


もともとコラムを書き始めたきっかけは、自分がダンスをやってきた中で経験してきたキセキ(軌跡)を文章にして、それを読んでくれた人にキセキ(奇跡)が起きてくれたら、、、


そんな気持ちで始めたから「勇気をもらいました」なんて言葉は本当に嬉しいし、たとえ地味でも書いててよかったと思える。


このコラムを読んで何かを感じダンスのみならず色々な意味において今後の糧にしてもらえると嬉しい。(下へつづく)



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さてちょっと前になるが、数ヶ月前このコラムのタイトル「ダンスのキセキ」と感じられるような出来事があった。


 街中を歩いていた時のこと。背後をしばらくついて来る人がいるので道を聞かれるのかと思ったら「す、すみません、、坂本さん、、ですか??」と声を掛けられた。


ハッとして振り向くと「あ、突然すみません、すみません、坂本さんのファンだったので、、つい声をかけましてすみませんっ。私は2つ下のM大学の◯◯と申しましてよく坂本さんのマネをしてまして、、思わず声を掛けてしまって、、本当すみません、、」彼は本当に申し訳なさそうに何度もすみませんを連発していた。


どうやら学生ダンス時代私が学生チャンピオンだった時の実に20年以上前のファンで、当時競技会での私の踊りをビデオで撮影しマネをしてくれていたらしい。


偶然通りがかりに見つけあとをつけて勇気を絞って声をかけてくれたようだ。


彼は就職してずっとダンスから遠ざかっていたそうだがつい1年前からまた少しダンスを始めたと言っていた。


その後しばし彼と立ち話をした後、彼にエールを送って別れた。


 彼と別れた後、20年前の当時の記憶が蘇ると同時になんだか「勇気」をもらったような幸せな気分になれた。


学生時代、自分が必死になって取り組んでいた未熟でつたないダンスが自分の知らない所で誰かに影響を与え、20年の時を経て今度は自分に「勇気」となって帰ってきた。


まさにダンスが繋いでくれた縁であり20年前の彼のキセキ(軌跡)と私のキセキ(軌跡)が20年後に偶然出会ってキセキ(奇跡)となった日だった。


「ダンスは人を繋ぎそして時をも繋ぐ」ダンスを通して同じ時間を共有しているんだという事を強く感じた日だった。
(第回 ダンスのキセキ『キセキ』)


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2018年4月3日火曜日

第9回『技術と心』


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先日幕張メッセで行われたスーパージャパンカップ競技会で我が日本ボールルームダンス連盟稲川素子会長のオープ二ングパレードのセレモニーでの心に響いた言葉がもうひとつあった。


 「どうかみなさん、技術を磨いて心も磨いてください。」


 これも稲川素子会長ならではの実に良い言葉だ。


技術を磨くと共に心も磨く。


自分は今までダンスに色々な事を教えてもらい色んな意味で成長させてもらった。今そう思えるのはダンスを学ぶ中で心を磨くことが出来たなのかもしれない。


それを気づかせてくれたこの言葉を大切に覚えておきたいし、今後はより一層そういった意識を持ってダンスに取り組んでいきたいと思った。


「技術を磨いて心を磨く」


ぜひみなさんにも覚えておいてもらいたい言葉だ。(下へつづく)



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さて「心」と言えば、ルードバーメイのレッスンを思い出す。


彼もまたダンスのフィーリングや表現をパターン化し体系化して教える良いコーチャーだった。


ルードは日本人の和の心が大好きで、ダンスで表現するうえで日本人のわび・さびと言った静かで凛とした心がダンスに必要な精神なのだと言った。


「決して表面だけのフェイクになってはいけない。静かな気持ちで自分の内面に集中しなさい。そうする事で本物のダンス、本物の表現が出来る」


ヨーロッパ人のルードに日本の心を教わるのはなんだか不思議な感覚だったが、あなた方日本人の精神は素晴らしいんだよ、と言われたのは素直に嬉しかった。


社交ダンスは西洋の文化のものだから兎角西洋人に対してコンプレックスを抱きやすい日本人ダンサーには自信になると思う。


 日本人は表現が弱いと言われる事が度々ある。表現の種類にも色々あるが、外に表現しようと思ったら一見遠回りのようだがまず自分の内なる方へ気持ちを集中させる事、というのも方法のひとつとしてある。ぜひトライしてもらいたい。

(第9回 ダンスのキセキ『技術と心』)



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2018年3月30日金曜日

第8回『夢とロマン』


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先日、幕張メッセで行われたスーパージャパンカップ競技会でセグエ選手権ならびプロフェッショナル・アマチュア選抜選手権の審査員を務めさせて頂いた。


このスーパージャパンカップは毎年3月に開催される日本ボールルームダンス連盟(JBDF)が主催する3大競技会の一つで、今年も日本全国から選抜された選りすぐりの選手らによって2日間に渡って熱戦が繰り広げられた。


いよいよ準決勝が始まるぞというその前に、勝ち残った選手達によるオープニングパレードと選手宣誓、会長あいさつのセレモニーがあるのだが、その場面での日本ボールルームダンス連盟稲川素子会長の素敵な言葉が心に響いた。


「選手の皆さん、どうか本日この会場にお越し下さったお客様に夢とロマンを与えて下さい。そしてこの会場を夢とロマンでいっぱいにして下さい。」


「夢とロマン」素敵な言葉だ。


一見キザっぽくも聞こえるこの言葉をごくごく自然にそして素敵に言えるのは、芸能事務所を長年なさっておりエンターテイメントに意識の高い稲川素子会長だからこそと思えた。


「夢とロマン」があるから人は努力し見る人を惹きつける。


ダンスには「夢とロマン」があるのだ。(下につづく)


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「夢」と言えば自分の10代の頃の夢は漫画家になる事だった。


高校生の時に某雑誌の漫画大賞で最終選考4作品に選ばれた事があるくらいだからそれなりに本気の「夢」だった。


それがひょんな事に第1回目でも書いたようにプロのダンサーになったのだから不思議な運命だ。


そういえば舞研に入った大学1年生の時、ダンス界の重鎮だった故浜田先生に「彼は形(シェイプ)を視覚で捉えて踊ることに長けている。」と夏合宿の最終日に褒めて頂いた事があった。


自分では無意識であったが、漫画を書く時の物の形や人物の姿・表情など目で見て形を捉えるクセが自然と身についていたからなのだろう。


ダンスのレッスンでもドニーバーンズは踊って見せてその動きを隣で見てマネするという要素が強かった。


コーチャーが踊って見せて生徒がそれを見てすぐ同じ動きが出来ればレッスンに言葉はいらないのだ。


大概はそういかないから、今度はコーチャーは言葉を使って自分が伝えたいニュアンスを理解してもらおうとするのだが、これがまた誤解して伝わってしまうことがよく起きる。


「もっと速く!」と言っても単に「スピードを速く」なのか「タイミングを速く」なのかで意味合いが違ってくるし、部位に関しても「背骨の移動」なのか「アームの使い方」なのか「フット」なのか、「フット」は「膝下の部分?」「膝?」「太もも?」「股関節?」etc...と無限だ。


結局細かなニュアンスやフィーリングは言葉だけでは伝わらず動きを見てみないとわからない。


 「目で見て覚える」


訓練でその精度も上がるし自然と出来るようになる。

(第8回 ダンスのキセキ『夢とロマン』)


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